SmartHRのメリットと課題、MITRA Xが補完する領域とは
人事労務クラウドの第一人者SmartHRの強みと、人事領域に特化するがゆえの課題を整理。MITRA Xが「SmartHRの外側」の業務領域をどう補完するかを解説します。
SmartHRとは:人事労務クラウドの第一人者
SmartHRは、入社手続き、年末調整、社会保険手続き、雇用契約などの人事労務業務をクラウドで完結させるSaaSです。2015年のサービス開始以来、登録企業数は6万社を超え、日本の人事労務クラウド市場でトップシェアを獲得しています。紙の届出書類をデジタル化し、従業員が直接情報を入力する「従業員サーベイ」型のUXが、人事部門の業務負荷を劇的に削減しました。タレントマネジメント機能の拡充により、労務管理だけでなく人材データの活用プラットフォームへと進化しています。
SmartHRの4つのメリット
①労務手続きの圧倒的な効率化。入社・退社手続き、社会保険届出、年末調整など、従来は紙と手作業で行っていた労務手続きをオンラインで完結。従業員がスマートフォンから直接情報を入力でき、人事部門の工数を最大90%削減した事例もあります。②法改正への迅速な対応。社会保険や税制の法改正にSaaS側が自動対応するため、企業は法改正のたびにシステム改修を行う必要がありません。③従業員データベースとしての活用。入社時に収集した従業員情報が自動的にデータベース化され、組織図、人員配置、スキルマップなどの人材データ活用に発展させられます。④充実したAPI連携。給与計算ソフト、勤怠管理、会計ソフトなど外部サービスとのAPI連携が豊富で、人事データを起点としたシステム連携が可能です。
人事領域特化ゆえの課題
SmartHRの強みは人事労務領域への深い特化ですが、裏を返せば人事以外の業務領域はカバーしていません。勤怠管理はSmartHR自体には含まれておらず、KING OF TIMEやジョブカンなど別のSaaSとの連携が必要です。工数管理、受発注管理、社内教育(Eラーニング)、汎用ワークフロー(稟議・経費申請)といった業務も範囲外のため、それぞれ個別のSaaSを導入することになります。結果として「SmartHR+勤怠SaaS+経費精算SaaS+ワークフローSaaS+教育SaaS」とバックオフィスだけで5〜6個のツールが乱立し、従業員は業務ごとに異なるUIを使い分ける負担を強いられます。データ連携もAPI経由で個別に構築する必要があり、IT部門の運用負荷は看過できません。
バックオフィスSaaS乱立という構造問題
SmartHRに限らず、日本のバックオフィスSaaS市場は高度に細分化されています。人事労務はSmartHR、勤怠はKING OF TIME、給与はマネーフォワード、経費精算はラクス、ワークフローはジョブカン——と、各領域で最適なSaaSを選定した結果、バックオフィスだけでも5〜10個のSaaSが並立する状況が一般的です。各SaaS間のデータ連携は部分的にしか実現できず、月次の人件費集計や予実管理では結局Excelに手作業で転記する作業が発生します。「個別最適の総和が全体最適にならない」という、SaaS時代特有のジレンマです。
MITRA Xが補完する「人事の外側」
MITRA Xは、SmartHRが得意とする人事労務手続きを置き換えるのではなく、その周辺に散在するバックオフィス業務を統合プラットフォームとして提供します。勤怠管理、工数管理、受発注管理、Eラーニング、ワークフロー(稟議・経費申請・各種届出)が共通のデータ基盤上で最初から統合されており、業務ごとに異なるSaaSを契約する必要がありません。1つのUIで複数の業務をこなせるため、従業員の学習コストも最小限に抑えられます。全社員向けの価格体系により、バックオフィスSaaS群のライセンスコストを大幅に削減できる点も大きなメリットです。
SmartHR × MITRA Xの共存アーキテクチャ
最適な構成は、入社・退社手続き、社会保険、年末調整などの法定労務手続きはSmartHRに任せ、日常的なバックオフィス業務はMITRA Xに集約する形です。SmartHRの従業員マスタとMITRA Xをデータ連携させることで、入社した従業員の勤怠・工数管理が自動的にMITRA X上で開始され、退社時には自動的にアカウントが無効化されるといった連携が実現します。「法定労務はSmartHR、日常業務はMITRA X」という明確な棲み分けが、バックオフィスSaaS乱立を解消しながら人事DXを推進する現実解です。